無題

無題



こんなきまって
茶色い椅子にのぼる日に
 そらは高いテント張り
水槽の中の幽体は
  適度な室温で
  ジグザグのそらから
 鉱質な糸でできた
  それらを編んで編纂した
 オレンジ色の失意や
むかうの納屋のぼや
 あるいはそれに類する
  変性意識であおざめた
 てきぱきやる積乱は
 まるきりHzの合わない
雌日芝のピンとした
 おれはそれでもネオンで
もうどうしやうもない
  むかうの雲の悪口なら
 どうかこの午後を縫いつけて
  むかしに流してしまつたから
 これでは誤植になるといけない