看病品書

看病品書



お元気ですかとよく俺は問い
強いて花にかこつけ出来合いで
くよくよするなと鏡面に云い
品種改良されたこいつらの名を
二度と呼んではやるものかと
かように召致するたび思うゆえ
こんな心持ちではいられなひ
諂いはべつぴんで檸檬のごとく
目に痛いとあれほど申しつけたのに
たといアルセイヌでも盗めなひ
こころの造花は平凡なのだらうか
吉美子の書いた通りのやうに
そのやうな無体な寝間着で
俺のまえによく立てるものだな
どちら様でございませうかと
ここらの空はシケモクばかりで
商業科出らしい立派な仕立で
まるきりアネモネそのものです
非買の品のあらぬものかと
このやうな日記を棚に入れては
あくびの眩いお日様だけが
もうもう目薬なのでありました