2018-02-04 月光と貴婦人 石 月光と貴婦人 眼瞼から伸びる針金は ガリガリと手動のショパンで 絹糸のやうにいちめんを 雨や日照りや雪などで 県道の細いのはおれがよく ぷかぷかやるからに違いない ええええさうですとも きつとここらが痩せたのも あのやうに金魚は空を泳いで 煌月のした博識ですなと 顎に手をやり無精も生えぬ 移り気な映写機をガラガラ廻す シルクハットの貴婦人が 多面鏡の田んぼにいるやうな そんな静かな夜と糸杉