流動性と足形

流動性と足形



長い旅路は背広の皺で
土瓶蒸し或いはプリンのやう
中山の料亭のどんちゃん
おれはもう桂むきなのだから
こんな足形で春を踊るのも
水辺に立ち、何度目だらうか
夜は何事も許すだとか
井原は処女作に記していたが
このステップの流動性
湖上の美人と捉えるほうが
よほどパチリと符号する
超感覚的な最先端の述懐
こと運動とこころの配置には
全く用を為さないのだ
たしからしい在り方ですら
踊子草のスクリーントーン
おれの科白と変ト長調
うなじに流し目に勘定ばかり