無題

無題



てつくずの諍いの前科も
グリッドの林の中に投げられた
それらを変形やカットなどと呼ぶには
あまりに前衛的にすぎるのだから
おれに張られた送電線なんぞは
チカチカの烏賊のやうになっている
これら一連の天の釈文の大凡は
はりがねにシャボンで屑石なので
お伽の宝石箱からバレエでシャッセ
この田舎をそいつで散歩しては
あの月明かりにはどれが似合うか
おれもまたそのやうな具合で
貼り立ての白障子のこころ模様
祖母も死ぬると口うるさいのだから
もうもう厭になるほどデッサンしては
そんな風でもいいかもしれないと
こうして不自然なものができました