お守り

お守り


紅いお守りを
ぶらさげた月夜の晩に
きみたなじいと
はりついた硝子の恋

天井の染みを
ござのやうなその染みを
かぞえてぎいと
うそついた障子の穴

ぬりかべのやうな
ざまあのない厚化粧を
繰言まじえては
なりそめる古都の酒

青いくちびる
かじかんだドレスの女に
ながしめなげては
そでをひつぱる
おれのそでをひつぱる