2015-09-04 双子の月 石 双子の月 西館の屋上は 石英水銀の壁紙でした 軽くなったシーツは 古ぼけたト長調 ふわりと行き交う電圧は 麻酔のきいた夜、奏で 双子の月灯りは 梯子を昇れませんでした ジッポ石を装填したり 鉄格子をけっぽったり きぜわしくちかちか 錨のない私のこころは 変調くりかえし ピアノに鍵かけては くる日もくる日も 吸殻だけが積もります