旧節

旧節


睫毛の長い夜の名も
裁ちばさみでばらばらで
あゝ南天なんぞ白化粧
瓦斯燈でくもつた硝子が
障子のやうにみえるのは
プラテツクのせいだろうか
これはどうしてかしらんと
芦毛はえた郵便受けに
じつとじつと佇む旧節
色鉛筆でたとふなら
一体どのやうなカラアで
雪夜の晩に、頬杖つく